下垂体・神経内視鏡センター

トピックス
当センターで扱う神経内視鏡手術をご紹介します。
① 内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術
下垂体はホルモンを分泌するする臓器の1つで、この組織あるいは近傍に発生した腫瘍を下垂体腫瘍と呼びます。頭蓋内のほぼ中央、脳の底部に位置し、また周囲には神経や血管など重要な正常構造物が存在するため、手術アプローチが困難な部位になります。当センターでは、ほぼすべての下垂体腫瘍に対し、体表に切開を加えず鼻の穴から病変に到達する内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術を適用しています。この手術法では、脳に圧排を加えることなく、深部に存在する病変に直接、脳の底部から到達することが可能となるため、開頭手術と比べ、患者さんの体の負担が少なく抑えられます。さらに、近年の光学機器の発展は目覚ましく、当センターにおいても4K高解像度の神経内視鏡を採用しているため、術野の視認性に優れ、さらに手術用ナビゲーションシステムや電気生理学的モニタリングを併用することで、安全で確実な手術を心がけています。現在では、下垂体腺腫のほか、髄膜腫や頭蓋咽頭腫、脊索種などの頭蓋底腫瘍に対しても本術式を適応し、良好な手術成績を得ております。また、当センターは、経鼻手術のみでは摘出が困難な症例に対しては、経鼻開頭同時手術を行える施設となっています。
② 内視鏡下血腫除去術
当センターでは、脳出血に対する外科手術に対しても、神経内視鏡手術を適用しています。脳出血に対する手術では、頭蓋骨に小さな穴を開けて(穿頭術)、透明の筒を脳の表面から血腫に挿入、留置します。その後、その筒を通して、神経内視鏡で直接血腫を確認しながら、血腫の吸引と除去を行います。また、脳内出血だけでなく、脳室内に出血した場合にも、神経内視鏡手術で血腫除去が可能です。従来の開頭手術と比べ患者さんの負担は少なく、リハビリもより早期から開始できるメリットがあります。
③ 内視鏡的第三脳室底開窓術
水頭症の治療として、脳室腹腔短絡術(シャント手術)が広くに普及していますが、体内に異物(シャントチューブ)を留置しなければならないというデメリットがあります。しかしながら、一部の水頭症(非交通性水頭症)に対して、神経内視鏡を用いることで体内に異物を留置せずに安全に治療することが可能です。これが、内視鏡的第三脳室底開窓術です。前頭部に穿頭を行い、神経内視鏡を側脳室からモンロー孔を通って第三脳室に進めます。その後、カテーテルや鉗子等を用いて神経内視鏡で直接視認しながら第三脳室底を開窓し、脳室からくも膜下腔へ髄液の流出路を形成し、水頭症を解除します。
④ 内視鏡下腫瘍摘出術
脳深部や脳室内に発生した脳腫瘍に対し、脳の犠牲を最小限にするために行われる手術です。内視鏡下血腫除去術を応用した手術方法です。開頭手術に比べると、皮膚切開や開頭範囲が小さくなり、さらに脳への負担も小さくすむため、患者さんへの負担を軽減できますが、全ての脳腫瘍に適応できるわけではありません。腫瘍の性状や大きさ、部位など、治療戦略を綿密に練ったうえで、手術法を選択しています。
① 内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術
下垂体はホルモンを分泌するする臓器の1つで、この組織あるいは近傍に発生した腫瘍を下垂体腫瘍と呼びます。頭蓋内のほぼ中央、脳の底部に位置し、また周囲には神経や血管など重要な正常構造物が存在するため、手術アプローチが困難な部位になります。当センターでは、ほぼすべての下垂体腫瘍に対し、体表に切開を加えず鼻の穴から病変に到達する内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術を適用しています。この手術法では、脳に圧排を加えることなく、深部に存在する病変に直接、脳の底部から到達することが可能となるため、開頭手術と比べ、患者さんの体の負担が少なく抑えられます。さらに、近年の光学機器の発展は目覚ましく、当センターにおいても4K高解像度の神経内視鏡を採用しているため、術野の視認性に優れ、さらに手術用ナビゲーションシステムや電気生理学的モニタリングを併用することで、安全で確実な手術を心がけています。現在では、下垂体腺腫のほか、髄膜腫や頭蓋咽頭腫、脊索種などの頭蓋底腫瘍に対しても本術式を適応し、良好な手術成績を得ております。また、当センターは、経鼻手術のみでは摘出が困難な症例に対しては、経鼻開頭同時手術を行える施設となっています。
![]() |
![]() |
![]() |
|
術前 | 術後 |
|
経鼻開頭同時手術の風景 |
② 内視鏡下血腫除去術
当センターでは、脳出血に対する外科手術に対しても、神経内視鏡手術を適用しています。脳出血に対する手術では、頭蓋骨に小さな穴を開けて(穿頭術)、透明の筒を脳の表面から血腫に挿入、留置します。その後、その筒を通して、神経内視鏡で直接血腫を確認しながら、血腫の吸引と除去を行います。また、脳内出血だけでなく、脳室内に出血した場合にも、神経内視鏡手術で血腫除去が可能です。従来の開頭手術と比べ患者さんの負担は少なく、リハビリもより早期から開始できるメリットがあります。
![]() |
上段:術前、下段:術後 |
③ 内視鏡的第三脳室底開窓術
水頭症の治療として、脳室腹腔短絡術(シャント手術)が広くに普及していますが、体内に異物(シャントチューブ)を留置しなければならないというデメリットがあります。しかしながら、一部の水頭症(非交通性水頭症)に対して、神経内視鏡を用いることで体内に異物を留置せずに安全に治療することが可能です。これが、内視鏡的第三脳室底開窓術です。前頭部に穿頭を行い、神経内視鏡を側脳室からモンロー孔を通って第三脳室に進めます。その後、カテーテルや鉗子等を用いて神経内視鏡で直接視認しながら第三脳室底を開窓し、脳室からくも膜下腔へ髄液の流出路を形成し、水頭症を解除します。
![]() |
![]() |
|
第三脳室底開窓 |
|
脳底動脈と後大脳動脈 |
④ 内視鏡下腫瘍摘出術
脳深部や脳室内に発生した脳腫瘍に対し、脳の犠牲を最小限にするために行われる手術です。内視鏡下血腫除去術を応用した手術方法です。開頭手術に比べると、皮膚切開や開頭範囲が小さくなり、さらに脳への負担も小さくすむため、患者さんへの負担を軽減できますが、全ての脳腫瘍に適応できるわけではありません。腫瘍の性状や大きさ、部位など、治療戦略を綿密に練ったうえで、手術法を選択しています。
スタッフ
構成医師名 | |
下垂体・神経内視鏡センター長 |
|
神経内視鏡手術は、特殊な手術手技を必要とするため、術者を含めたチームの経験値が手術成績に相関することもわかっています。当センターでは、内分泌内科医、耳鼻咽喉科医、麻酔科医、臨床検査技師、手術部スタッフと協力しながら、神経内視鏡手術に熟練した専門医が手術を担当します。ご心配なことなどございましたら、遠慮なくお問い合わせください。