急性期の検査
脳卒中の原因、重症度などそれぞれ患者さんの状態に応じて、必要な検査を担当および当直医師が判断して行います。脳卒中治療において必要な検査は以下のものがあります。
(カッコ)内の数字は入院に際して行うおおよその回数です。必要に応じて増減します。

①生化学的検査(せいかがくてきけんさ)

  1. 血液検査(4回)

    血算、一般生化学(肝機能、腎機能、電解質など)、凝固因子、ホルモン値、その他、比較的稀な脳梗塞の誘因因子の測定など。特に、コレステロール値、血糖値は脳卒中と関連がありますので、検査します。

  2. 尿検査(1回)

    尿糖やタンパク尿などを検査します。

  3. 髄液検査
     

    髄膜炎など脳卒中以外の神経疾患が疑われる場合に必要となります。

②画像診断

 

  1. X線CT

    CTとはコンピューター断層法(Computed Tomography)の略です。   
    X線に対する組織の吸収差を利用して画像を作成します。   
    また、造影剤という薬を静脈注射して脳の血管を立体的に撮像することもできます。

      

  2. MRI

    磁力を利用して画像をつくります。   
    体内の水素原子の様子を画像にします。   
    急性期の脳梗塞を診断することが可能です。   
    また造影剤を使用しなくても脳や頸部の血管を描出することができ、脳動脈瘤の有無や血管がほそくなっているところも調べることができます。   
    ただし、体内に心臓ペースメーカーや磁性体の金属がうめこまれていると検査できません。

      

  3. 血管撮影
     

    カテーテルと呼ばれる細い管を手や足の付け根(大腿動脈)から入れて先端を頸部の動脈内に進めます。   
    そこから造影剤を使用してX線写真を撮ります。   
    急性期の脳梗塞では重大な脳梗塞にならないようにする血栓溶解、血管内手術などが行われます。

     

③その他

  1. 心電図、ホルター心電図、エコー(心臓、頸動脈)

    脳卒中は脳以外の血管病変や心臓疾患を合併することが多いので必要な場合にはこのような検査を行います。ホルター心電図は24時間心電図を付け続け、記録することによって自覚できない不整脈を見つけます。エコー検査は心臓内の弁異常や心機能を調べたり、頸動脈の狭窄を見つけることに有用です。

  2. 頭部以外のレントゲン、CT、MRI検査

    脳卒中を発症すると、全身のバランスが崩れ、様々な合併症を引き起こしやすくなります。肺炎、肝機能低下、腎機能低下が疑われた場合には血液検査に加えて画像検査を追加施行する場合があります。

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