内服

●ビタミンC [適用:色調 肌質 シワ ニキビ]
ビタミンCは活性酸素・フリーラジカルと反応してその毒性を弱めます。ビタミンCには、メラニンの生成抑制のほか、できてしまったメラニンの淡色化、コラーゲンの産生促進、しみ・しわが目立ちにくくなる、紫外線が関与する光老化を予防する、などと同時に光老化によって起こっている諸症状にも良い影響をもたらすとされています。

●トラネキサム酸 [適用:色調]
トラネキサム酸は、炎症を引き起こす「プラスミン」という酵素の働きを抑えます。
プラスミンはメラニン細胞活性化因子であるため、プラスミンの働きを抑えることでメラニンが作り出されにくい状態にします。

●フェナステリド [適用:髪]
AGA(男性型禿頭)の発症には男性ホルモンの一種である「テストステロン」と、前頭部から頭頂部に存在する還元酵素「Ⅱ型5αリダクターゼ」が主に影響すると考えられています。
テストステロンは、Ⅱ型5αリダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化します。このDHTが前頭部から頭頂部の毛根に多く存在するレセプターに結合すると、通常2〜6年ほどあるヘアサイクルの成長期を極端に短縮してしまい、髪の毛が十分成長する前に抜け落ちることによって薄毛が進行すると考えられています。
フィナステリドには、このⅡ型5αリダクターゼの働きを阻害する働きがあります。この働きによってテストステロンがDHTに変化することを防ぎ、DHTによって短縮させられたヘアサイクルを正常な状態に戻すことが可能です。ヘアサイクルが元に戻ることで髪の毛が太く長く成長できるようになるため、薄毛になっていた部分が回復していきます。
服用開始から効果を実感するまでは、一般的に6カ月程度の連続投与が必要といわれています。ヘアサイクルを正常に戻す効果はフィナステリドを服用開始した時点から作用していますが、乱れたヘアサイクルが正常な状態に戻るのにある程度時間がかかるため、効果を実感するまでには数か月の時間を要します。

●デュタステリド [適用:髪]
AGA(男性型禿頭)については、フェナステリドの項目をご参考ください。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は全身に、Ⅱ型は前頭部から頭頂部に存在します。AGAには主にⅡ型が関与しているといわれています。フェナステリドはⅡ型のみを阻害しますが、デュタステリドはⅡ型の阻害作用がフェナステリドの3倍あり、さらにⅠ型も阻害します。
フェナステリドでAGAの改善が乏しくても、デュタステリドで改善されることがあります。とくに前頭部についてはデュタステリドの方が改善することが多いです。

●パントテン酸カルシウム [適用:髪]
 女性の薄毛(びまん性脱毛症・分娩後脱毛症)の抜け毛やヘアサイクルを改善し発毛を促すサプリメントです。健康な髪や皮膚、爪のための栄養成分(ケラチンやアミノ酸、ビタミンB群)がバランスよく豊富に含まれています。これまで大きな副作用の報告はありませんので継続してご使用いただけます。また男性型脱毛症の方にも飲んでいただけます。ミノキシジル等の育毛剤との併用も可能です。 

●UVケアサプリメント [適用:色調]
 体の中からUVケアができるサプリメントです。強力な抗酸化成分で、紫外線の肌に対する影響を軽減させます。1日1粒で効果が24時間持続し、外出中などに飲み直しの手間がありません。
日本国内で製造されており、シダ植物由来成分で副作用の心配はないと言われています。
サプリメントのみではUVカット効果はありませんので、UVケアクリームを併用してください。

外用剤による治療

●ミノキシジル [適用:髪]
ミノキシジルは、米国のファルマシア・アップジョン社(現・ファイザー株式会社)が1960年代に、高血圧症患者向けの血圧降下剤として開発しました。しかし臨床実験中に多毛症の副作用が報告されたため、薄毛治療用に転用されました。ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)治療に効果のある外用薬として、国内で認可されています。ミノキシジルには、発毛や髪の成長を促進する作用があります。頭皮に直接塗布することで頭皮の血流を促し、毛母細胞が刺激され、細胞分裂が活発になるためです。頭頂部や前頭の薄毛に対して高い効果を発揮することが認められています。

●ビタミンC [適用:色調 肌質 シワ ニキビ]
ビタミンCは活性酸素・フリーラジカルと反応してその毒性を弱めます。しみの予防のほか、できてしまったメラニンの淡色化、コラーゲンの産生促進、小じわを目立たなくさせる、紫外線が関与する光老化の予防、など期待できます。
当院では水にも油にもなじみ、塗布するだけで角質層のバリアを通過することのできる「両親媒性」のビタミンC誘導体、APPSを扱っています。

●ハイドロキノン [適用:色調]
ハイドロキノンは沈着してしまった色素を薄くすることのでききる可能性のある製剤です。人間の肌にできるシミや肝斑、炎症後色素沈着などは、メラニンという色素によるものです。肌表面にあるメラニン細胞が刺激されるとメラニンが生成され蓄積し、肌の色が濃くなります。ハイドロキノンはメラニンの産生を促す酵素を抑制することで、メラニンが作られにくくします。
ハイドロキノンはかぶれることがあるため、使い始めには目立たないところに塗って刺激がないか確認することをおすすめします。かぶれるようなら、ハイドロキノンより単価は高いのですが低刺激性のクリームもありますの、ご相談ください。

●トレチノイン [適用:色調 シワ]
トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、ビタミンAの50-100倍の生理活性を有しています。トレチノインは、表皮の細胞を分裂・増殖させ、皮膚の再生を促しメラニンを排出します。皮脂の分泌を抑える、皮膚の張りが出る、小じわの予防、なども期待できます。レーザー後の炎症性色素沈着を早めにうすくするためにも使うことがあります、トレチノインは、ハイドロキノン、ビタミンCローションとの組み合わせで使用します。
使用し続けると効果が下がるため、6週間使用したらその後は6週間休む、というような使い方をします。

●過酸化ベンゾイル [適用:ニキビ]
過酸化ベンゾイルは、海外では50年以上前から使用されているニキビ治療薬です。過酸化ベンゾイルは薬剤耐性菌の報告がありません。そのため長期で使用しても安定した効果が期待でき、国内のニキビ治療のベースとなっている薬です。過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑え、ピーリング作用(皮膚表面の古い角層を取り除く作用)によって毛穴のつまりを改善し毛穴に浸透することでニキビ予防と改善効果があります。2週間~3ヵ月ほど塗り続けることで効果を実感することができ、赤いにきびや白にきび、黒にきびを同時に治療することができます。
皮膚の赤み、刺激感、かゆみ、乾燥などが起こりやすいですが、使い方を工夫しながら使用を継続することが大切です。効果判定は3カ月後です。早期に効果がないと判断して治療をやめないでください。またいったん軽快してもすぐに治療をやめてしまうと、ニキビが再燃することがあります。皮疹の軽快後もしばらく治療を継続することで、軽快した状態を維持することができ、ニキビができにくい肌を目指すことができます。

●アダパレン [適用:ニキビ]
レチノイド(ビタミンA誘導体)様作用を有する外用薬です。
ディフェリンゲルは皮膚の角化(皮膚表面をつくる細胞が生まれてから角質になるまでの過程)を調節し、毛穴のつまりを改善します。くり返すニキビの原因となる毛穴のつまりを取り除くことによって、白ニキビと赤ニキビに効果を示します。特に白ニキビへの効果が高く、赤ニキビに対しては緩やかに減少させていきます。
皮膚の赤み、刺激感、かゆみ、乾燥などが起こりやすいですが、使い方を工夫しながら使用を継続することが大切です。効果判定は3カ月後です。早期に効果がないと判断して治療をやめないでください。また治療をやめてしまうと、ニキビが再燃することがあります。皮疹の軽快後もしばらく治療を継続することで、軽快した状態を維持することができ、ニキビができにくい肌を目指すことができます。

●ビマトプロスト [適用:毛]
ビマトプロストは緑内障や高眼圧の治療薬に含まれる成分です。まつ毛の毛周期における成長期を延長して睫毛乏毛症の改善を目指します。睫毛が成長する期間は約40日とされていますが、ビマトプロストが成長期を延長し太く長い睫毛へと成長させます。
外用をやめると元の状態に戻ります。
上瞼の睫毛の根元に専用の刷毛で塗ってください。周囲に広がると色素沈着を起こしアイラインのように黒ずむことがあります。目の周りが多毛になることがあります。

点滴治療

●高濃度ビタミンC点滴 [適用:色調 肌質 シワ ニキビ]
ビタミンCは活性酸素・フリーラジカルと反応してその毒性を弱め自身は反応性の低いフリーラジカルになりますが、これらもビタミンCやリポ酸によって元の還元型抗酸化物質に再生されることが知られています。高濃度ビタミンC点滴は、通常の点滴に含まれる量の何⼗倍ものビタミンCを点滴することで、その抗酸化作用によって免疫力向上、肌の老化防⽌、肩こりの緩和などが期待できます。当院では25gの高濃度ビタミンC点滴を行っています。
シミやシワの予防、肌荒れや乾燥の予防、⽇焼けからの回復、顔だけではなく全身の色素沈着の緩和などが期待でき、⼈気の点滴です。
肌のことだけでなく、疲れが取れない、ストレスがたまっている、⾵邪をひきやすい、老化が気になる、などのお悩みをお持ちの方にもおすすめの点滴です。

機器による治療・施術

●IPL [適用:色調 肌質]
IPL治療はIPL(Intense Pulsed Light=インテンス・パルス・ライト)という特殊な光を肌に照射することで、肌トラブルの原因であるメラニン色素や毛細血管にダメージを与え、シミやそばかす、くすみ、ニキビ・ニキビ跡、赤ら顔などを総合的にケアできる治療法です。真皮層のコラーゲン産生を促し、肌質改善効果も期待できます。広範囲に照射可能で、ダウンタイムはほぼありません。レーザー治療と比較して効果はマイルドですので、ある程度の効果を得るには繰り返し施術を行う必要があります。治療したい部位が広範囲にある方や、様々な症状の総合的なケアを希望される方におすすめしたい施術です。
悩み別には下記のようなものがあります。

 ☆シミ・そばかす・くすみ
IPLは、黒色・赤色・水分に吸収される性質があります。光に反応したメラニンは、老廃物として皮膚のターンオーバーにより排出が促され、肌の表面に浮き上がり徐々にはがれ落ちます。個人差はありますが、3回程度繰り返し施術することにより肌全体のくすみが解消し、シミやそばかすの改善が期待できます。

 ☆毛穴
肌が引き締まることで毛穴が目立ちにくくなる効果があります。IPLの光によってコラーゲンの生成を促しキメが改善します。

 ☆浅いしわ
IPLの光が真皮層に届くと線維芽細胞が活性化し、コラーゲンなどの生産を促進するため、弾力のあるハリのある肌へ導きます。

 ☆ニキビ跡・赤ら顔
IPLの光は、炎症を起こして赤みを帯びたニキビや赤ら顔などの赤い色素にも反応します。顔の表面に広がった余分な毛細血管を収縮させることができるので、肌表面の赤みを目立ちにくくする効果が期待できます。

IPLは、シミを薄くしていくと同時に、肌全体のトーンアップや肌のハリをもたらすのに効果的です。しかし、シミの種類や状態によってはIPLでは改善が難しいと判断し、他の施術をおすすめすることもあります。お一人お一人の肌の状態に合わせて、治療法を提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

◆注意事項
パチンと輪ゴムで軽くはじかれたような痛みがあります。
繰り返しの治療により効果を実感して頂けます。
まれですが、水疱形成やひりひり感などを生じることがあります。
妊娠中、授乳中、光線過敏症、日焼けをしている方、皮膚炎、口唇ヘルペスがある方は治療を受けることができません。
施術により作用したメラニンが浮き出ることで、1週間程度シミが濃くなることがあります。施術後すぐよりメイク、当日のシャワーもすることができます。紫外線対策はしっかりとお願いします。

●ピコレーザー [適用:色調 肌質]
ピコレーザーとは、レーザーを非常に短い時間で照射することのできる機械です。ピコ秒は1兆分の1秒です。シミをはじめとするレーザー治療は、目的に応じたレーザーの波長と照射時間(パルス幅)がとても重要となります。従来のシミ治療に使用されてきたレーザーは、パルス幅が「ナノ秒」であるのに対し、ピコレーザーのパルス幅はさらにその1000分の1秒の「ピコ秒」という非常に短いパルス幅を実現しています。「ピコ秒」という極めて短い照射時間によりメラニンを衝撃波で壊すことができると同時に周囲組織へのダメージが少なく、痛みの少ない治療が可能となりました。
ピコレーザーでは、シミやそばかす1つ1つを狙って照射する「スポット」、肝斑・くすみを徐々に薄くする「ピコトーニング」、ニキビ跡・毛穴・小ジワを改善していく「ピコフラクショナル」、の3つの照射方法があり、目的によって治療法を選択します。

 ☆シミ・そばかす[スポット]
直径2~3mmという小さなスポットで、細かく散らばった色素斑1つずつにレーザーを照射します。一度に小さなシミをたくさん治療できること、保護テープを貼付する必要がないことが良い点です。治療後はいったんシミの色調が濃くなり、時間をかけてうすくなっていきます。Qスイッチレーザーより炎症後色素沈着(※)が起こりにくいと言われてはいるものの、ピコレーザーでも炎症後色素沈着が起きることは多いです。

 ☆肝斑[トーニング]
肝斑は刺激や摩擦が悪化要因であるため、肌に刺激を与えるレーザー治療は不向きだと言われていました。しかしピコレーザーは炎症を起こさせないように弱い出力で照射し、メラニンを少しずつ壊していくことが可能なため、最近ではピコレーザーによる肝斑の治療も行われるようになりました。
ピコトーニングは低エネルギーのレーザーをシャワーの様に優しく照射していく方法です。
2週間に1度のトーニングを8~12回繰り返すことで少しずつ色合いを薄くしていきます。

 ☆毛穴・ニキビ跡・小じわ[フラクショナル]
毛穴・ニキビ跡・小ジワなどの改善に効果的な治療です。皮膚表面で吸収される波長と皮膚の奥まで届く波長のレーザーを強い出力で当てることで、皮膚表面では肌理を改善し、皮膚の深部ではコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌にハリを出し毛穴が目立ちにくくなる効果も期待出来ます。強いエネルギーで照射するため、数日間は赤みが残ることがあります。

 ☆タトゥー除去
ピコレーザーは色素の粒子をより細かく破砕することができます。少し前まで最もタトゥー除去治療に使用されてきたQスイッチルビーレーザーやQスイッチYAGレーザーでは黒や青、赤色以外の色を治療することは非常に困難でしたが、ピコレーザーでは多様な色に対応できます。さらに照射する回数もこれまでより少なくなりました。ただし、入れている色の深さや、インクの種類などにより、照射の強さや回数などが異なってきます。また、稀ですが、タトゥーに金属が使われている場合に、レーザーを照射することによってタトゥーの色が変化して残ることがあります。

※炎症後色素沈着
レーザーを当てることによって起こった炎症をきっかけに、メラニンの色調が濃くなること。時間とともに改善するが、改善まで半年から1年かかる。

◆注意事項
パチパチと優しく弾かれるような痛みがあります。ただしニキビ跡治療や毛穴治療の時に使用する「フラクショナル」モードやタトゥー除去ではやや強い痛みがありますので、希望により塗り薬による表面麻酔や注射による局所麻酔を併用することもできます。
日焼けをされている方は治療を受ける事はできません。
施術箇所が赤く腫れることがありますが一時的なもので、数日で赤みが引きます。炎症後色素沈着が起こる可能性があります。

●Qスイッチレーザー(ナノレーザー) [適用:色調]
スポット状のシミの治療に最も使用されてきた「Qスイッチルビーレーザー」です。ナノ秒は10億分の1秒です。メラニン色素のみに反応し皮膚へのダメージをより少なく抑えることができるのが特徴です。浅い部分のシミ・そばかすから、深い部分の青あざなどに効果が期待できます。治療後はかさぶたができるので保護テープを貼付します。1~2週間ほどでかさぶたの下に新しい皮膚ができると、かさぶたははがれ落ちます。炎症後色素沈着(※)が起こることが多いですが、適切なスキンケアをしていただくと時間とともに軽快します。
一般的なシミと、より深い部分にメラニンがたまる病態(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなど)では治療経過が異なりますので、診察時にご説明いたします。
最近導入したPICOレーザー(PICO秒は1兆分の1秒)もシミ治療に使用しますが、色調が濃くて周囲との境界が明瞭なシミにはQスイッチルビーレーザーの方が効果の高い場合が多いです。

※炎症後色素沈着
レーザーを当てることによって起こった炎症をきっかけに、メラニンの色調が濃くなること。時間とともに改善するが、改善まで半年から1年かかる。

◆注意事項
痛みがありますので麻酔クリームを使用します。
保護テープを2週間患部に貼っていただきます。
日焼けをされている方は治療を受ける事はできません。
施術箇所が赤く腫れることがあります。
施術箇所に強い色素沈着(炎症後色素沈着)が起きることがあります。外用治療及び時間の経過で改善しますが、一時的にシミが濃くなったように感じる場合があります。

●ロングパルスレーザー [適用:色調 肌質 脱毛]
照射時間がミリ秒と長めの設定のレーザーです。
波長755nmのアレキサンドライトレーザーと波長1064nmのNd-YAGレーザーを使い分けることのできる機械です。
毛根に熱を貯めることができるため脱毛効果があり、毛の太さや毛根の深さ、皮膚の色などによってレーザーの種類を使い分けます。脱毛以外にも熱作用によってコラーゲンの生成を高める効果もあり、様々な病態に対応することができます。
<アレキサンドライトレーザー>
アレキサンドライトレーザーはシミやソバカスの原因となるメラニンに選択的に反応するため、シミやソバカスを薄くすることや、ターンオーバーを促進することによる肌質改善効果が期待できます。さらに脱毛効果もあります。アレキサンドライトレーザーを顔全体に当てる治療をレーザーフェイシャルと呼びます。
<Nd-YAGレーザー>
レーザーが真皮上層部を加熱してコラーゲンの生成を促します。肌を引き締め、肌理改善や毛穴にも効果が期待できます。また、ヘモグロビンの赤い色素にも反応する性質を持つため、毛細血管拡張によって起こる赤ら顔の治療にも使われます。Nd-YAGレーザーを顔全体に当てる治療をレーザーシャワーと呼びます。
顔や首などにできる小さな赤い病変(老人性血管腫)にスポット照射することもでき、1回の照射でも色調が改善することが多いです。

 ☆脱毛
アレキサンドライトレーザー、Nd-YAGレーザーを、発毛の状態に応じて選択します。レーザーの光はメラニンに吸収され、発毛の命令を出すバルジ領域や、毛が生える素になる毛母細胞を熱破壊します。バルジ領域や毛母細胞が完全に破壊されると、発毛しなくなります。毛には毛周期があり、レーザーでバルジ領域や毛母細胞を壊せるのは成長期の毛のみです。レーザー後、また新しく成長期に入った毛が生えてきます。
何度も繰り返し照射することで徐々に減毛します。少なくとも5回は照射が必要です。男性の髭では10回以上照射することも稀ではありません。

◆注意事項
レーザーは均一に当てることはできませんので、必ず発毛がムラになります。何度も照射している間に均されてきます。
日焼けしている部位には施術できません。
レーザー照射部が色素沈着することがあります。時間経過とともに軽快しますが、色素沈着が起こった場合には施術頻度を下げることをおすすめします。
稀ですが、硬毛化といってレーザー照射をすることで毛が太くなる現象起こることがありますが、レーザー機器を変更したり照射法を変更したり1年ほど待機することで対処します。

●1540nmフラクショナルレーザー [適用:肌質 シワ ニキビ]
フラクショナルレーザーは、極めて細いレーザービームを田植えのように隙間をあけて照射することで、肉眼では見えない微小の穴を無数に開け、真皮に熱を加える施術です。その回復過程でコラーゲンの産生が増加し、真皮が収縮し、凹凸が均一化されます。表皮へのダメージはほとんどないため、かさぶたにはなりません。ニキビ跡、傷跡、毛穴、小皺などが目立ちにくくなり、肌質改善や肌の若返りを図ります。一度に広範囲に照射することができます。肌に張りが出るので、目周りの小じわ・たるみを目立たなくさせるためにもよく使われます。
また、新しいニキビができにくくなるという利点もあります。
痛みがありますので、麻酔クリームを塗った上で施術することをおすすめします。

◆注意事項
施術直後には、赤みや腫れが起こります。赤みと腫れは1~3日で治まりますが、しばらく肌がザラザラした感じが続くことがあります。ザラザラ感が改善すると、肌が滑らかになります。
洗顔は当日より可能で、化粧は翌日より可能です。保護テープは必要ありません。
フラクショナルレーザーは1回で終わる施術ではありません。肌の再生は半年ほどかけてゆっくり進みます。再生を持続させるために、1ヶ月以上間隔を空けて、小じわやたるみ、ニキビの場合は5回程度、ニキビ跡の場合は10回以上の施術が必要です。

●炭酸ガスレーザー [適用:色調]
10600nmの赤外線の光を発する炭酸ガス(CO2)レーザーは、細胞内の水分と反応して熱エネルギーを発生するレーザーです。治療部位の組織のみを瞬間的に吹き飛ばすので、周りの皮膚に余計なダメージを与えません。出血はほとんどありません。治療部位の周囲組織が温存されているので、治療によってできたキズは素早く収縮して1-2週間でふさがります。
ほくろの除去や隆起性病変を削って平らにする治療に適しています。
治療部位には2週間程度保護テープを貼る必要があります。

◆注意事項
色素沈着が起きることがありますが、半年から1年ほどの時間をかけて改善します。
色素沈着の程度によって外用薬などを用いることがあります。
治療部位は元より少し縮んで瘢痕(傷痕の組織)として治癒します。周りの皮膚とはまったく同じ様にはなりません。
治療部位や治療部位の周辺からほくろが再発したり、隆起性病変が再燃したりすることがあります。再発した場合は再度照射が必要になったり、極まれに外科的切除をお勧めする場合もあります。

●色素レーザー [適用:色調]
皮膚良性血管病変の治療目的で設計された波長595nmのロングパルスダイレーザーです。
波長595nmのレーザー光は赤血球のオキシヘモグロビンに選択的に吸収される特徴があります。毛細血管が拡張したり密度が高くなっていたりする病変部にレーザーを当てると、オキシヘモグロビンがレーザーの光エネルギーを吸収し熱に変換されます。その熱が血管内壁の細胞(血管内皮細胞)をやけどさせることで血管が潰れます。
潰れた血管には血液が通らなくなり赤みが減ります。
毛細血管拡張症、酒さ、赤ら顔、赤いニキビ跡などの改善が期待できます。
1回で効果が出る場合もありますが、多くの場合は何度か施術を繰り返します。

◆注意事項
治療後レーザー照射箇所に発赤、膨疹、局所的に紫斑や点状皮内出血が生じることがあります。紫斑や点状皮内出血が生じた場合、完全に消退するまでに通常2~4週間ほどかかります。治療箇所の表皮に強く炎症が生じた場合、炎症後色素沈着がみられることがあります。炎症後色素沈着は3~6か月で消退します。

●ボトックス治療 [適用:肌質 シワ 目元]
ボトックスというのは、ボツリヌス菌が産生する「A型ボツリヌストキシン」のことです。ボトックスは神経と筋肉の接合部をブロックするので、神経からの刺激が筋肉に伝わらなくなり、筋肉の収縮が弱まります。
笑ったり、怒ったり、眉をひそめたり、口をすぼめたり・・・表情を作るときにできる「表情ジワ」は本来一時的なものですが、長期間何度も繰り返すと加齢に伴う皮膚の弾性低下と相まって皮膚に折れ癖がつき、刻まれたシワになります。ボトックス注射は表情ジワの原因となる表情筋の収縮を和らげて、眉間の縦ジワや額の横ジワ、目尻のシワ、口唇のシワ、オトガイの梅干しジワなどを目立たなくさせます。その他、咬筋に注射することで咬筋の盛り上がりを軽減させたり、噛みしめる力を弱めたりすることもできます。表情筋は4ヶ月程度効果が持続します。ボトックス注射を継続する場合は4カ月~半年に1回くらいの頻度で継続することが望ましいです。咬筋の場合は1年以上間隔が空くことが多いです。
ボトックスによる表情ジワの治療では、狙った筋肉の動きを抑えますが、筋肉よりも浅い層に広範囲に注入する「マイクロボトックス」という方法もあります。筋肉の動きを残しつつ、筋肉の表面線維のみの動きを弱めることで、より自然な表情を保ちながらシワを改善し、滑らかでハリのある肌へ導く治療方法です。自然な表情を保ちながらシワを改善したい、顔全体のハリ感、ひきしめ感が欲しい方へおすすめの方法です。

◆注意事項
稀に注射部位に内出血、周辺部に赤みが出ることがあります。また、ボトックスの効果によって、それまで無意識に作っていたシワを作りにくくなるので、目を開けにくい、しかめ面をしにくい、などの違和感を生じることがあります。これらの症状が出現した場合でも時間の経過とともに軽快します。

●ヒアルロン酸 [適用:シワ 目元]
ヒアルロン酸注入治療とは、ヒアルロン酸皮膚充填剤(医療用のヒアルロン酸)を皮下に注入して内側からシワや溝を目立たなくさせたり、ボリュームを補ったりするものです。凹みが気になっている部分に直接注入するだけでなく、輪郭をスムーズにしたり、唇のボリュームをアップしたり、しわの折れ癖を弱めたりして、顔全体の印象を改善させる効果もあります。当院では厚生労働省に認可されているアラガン社のジュビダームビスタ®シリーズを使用しています。ヒアルロン酸の注入は、細い針を使って行います。ボリュームが減少した部分の皮膚の下や、刻まれてしまった深いシワの皮膚の中に注入します。部位によって方法や所要時間は異なります。治療後のダウンタイムは内出血などを除いてほとんどありません。持続時間は製品の種類や注入部位によって異なりますが、通常6ヶ月~24ヶ月程度で、徐々に吸収されていきます。
<たるみができる仕組み>
体の骨と同様に、顔の骨も加齢とともに骨密度が減少し小さくなります。皮下脂肪のボリュームも減っていきます。
こめかみ、眼窩(眼球がはいっているくぼみ)は広がり、頬・あごのまわりの骨はへこみ、痩せていきます。顔の骨は顔の土台として筋肉や皮下脂肪、皮膚を支えていますが、骨に変化が起きると皮下脂肪や皮膚が十分に支えられずに垂れ下がり、たるみや深いシワとして認識されます。

◆注意事項
注入部分に内出血、周辺部の赤みや腫れ、硬さが出現する可能性がありますが、時間の経過と共に解消されます。個人差はありますが1~2週間程度で落ち着いてきます。
ヒアルロン酸が吸収されるまでの期間は使用する製品によって差があります。柔らかいタイプだと半年ほど、硬いタイプだと1年半から2年程度です。ただしヒアルロン酸を吸収するスピードは個人や注射部位によってかなり差があります。
ヒアルロン酸製剤に含まれる添加物等によって、注射部位に腫脹や発赤などアレルギーが生じる可能性があります。アレルギーが起こった場合には、抗アレルギー薬やステロイドの内服などの対処をしますが、それでも改善が乏しい場合はヒアルロニダーゼという製剤を注入してヒアルロン酸を溶解することがあります。
非常にまれですが重大な合併症として、ヒアルロン酸を血管内に注入することや、ヒアルロン酸で血管を圧迫することで血流が滞り、脳梗塞や失明、皮膚壊死などが生じた例もあります。重大な合併症を避けるために当院では様々な工夫を行っていますので、御心配であれば診察の際に担当医にご相談ください。

●RF [適用:シワ]
ラジオ波(RF)は、皮内や皮下組織内を減衰せずに透過し、設定した深度にある組織温度を上昇させます。プラスとマイナスの電気刺激によって細胞がゆれて摩擦熱が発生します。その加熱作用によって血液・リンパ液の流れが促進され、排出作用や組織活性がスムーズに働き循環を整えます。ダメージを与えることで真皮層のコラーゲンの再生が促されるため、しわ・たるみに対してラジオ波が活用されています。さらに身体内の保温効果があるため代謝も高まり、施術後もコラーゲン再生が続きます。
施術直後は、ラジオ波の影響で顔が少し腫れるためハリが出たように自覚しますが、腫れが治まると同時に肌の状態も元に戻ったように感じます。しかしコラーゲンの再生は続いており、何回か連続して施術を行うことで肌と皮下組織が引き締まり、たるみの程度が減少します。2-3週間に1度の施術を3回程度行うことが望ましいです。
その後は間隔を伸ばしていき、肌の引き締まりを維持することをおすすめします。

●スレッドリフト [適用:シワ]
スレッドリフトとは糸を入れてたるみを引き上げる施術です。糸には「溶ける糸」と「溶けない糸」があります。当院ではスレッドリフト治療後に別の治療が難しくならないように「溶ける糸」を使用しています。時間が経つと体内に吸収される特殊な糸(溶ける糸)を皮膚の下に通して、フェイスラインのゆるみ、目元・頬・ほうれい線・マリオネットラインなどのたるみを引き上げます。糸を挿入したことによって組織がダメージを受け、その治癒過程でコラーゲンやエラスチンが生成され、肌にハリが出ることも期待できます。糸挿入部にできた1mmほどのキズには、治るまで保護テープを貼ります。治療後数日間は、疼痛と皮下出血斑が残りますが、1-2週間で改善します。糸は半年~1年かけて徐々に吸収されていきます。肌の状態は徐々に後戻りしますので、1-2年に1回程度に施術を行うことをおすすめします。

◆注意事項
当日は強い引き上がり感と共に頬にヨレや引きつれが出ることがあります。
術後2~3日は腫れが強く、腫れが引くまで1週間程度かかります。皮下出血斑が改善するまで1-2週間かかります。
痛みが強く出る場合がありますので、鎮痛剤の内服とクーリングをおすすめします。
人により、皮膚の上から触れた時に糸の感触が分かる場合があります。
術後1ヶ月程、違和感・口が開きにくい等の症状が出る場合があります。
元々のたるみの程度や骨格の左右差に伴い、仕上がりに左右差が残る場合があります。
稀に、麻酔の影響で目の開けにくさや違和感を生じることがありますが、徐々に回復します。

●水光注射 [適用:肌質]
水光注射というのは、一度に1平方センチメートルあたり9本の極めて細い針で皮膚の同じ深さに薬剤を注入する施術です。
まんべんなく広い範囲に薬剤をいきわたらせることができます。顔だけでなく、首や手背への施術も可能です。
水光注射専用の機械をつかってヒアルロン酸を主とした美肌保湿成分を肌の表面の層に注入します。また、針で肌を傷つけることによって肌の再生を促します。
ハリ・ツヤ・キメ・乾燥・毛穴の広がり・ニキビ・ニキビ跡・色素沈着・くすみ・小ジワなど、肌質が気になる方におすすめしています。
繰り返し施術することで、より変化を実感しやすくなります。

◆注意事項
注射部位に内出血、赤み、硬さなどが出現する可能性がありますが、時間の経過と共に改善します。個人差はありますが1週間程度で落ち着いてきます。メイクは次の日から可能です。

●ダーマペン [適用:肌質]
髪の毛よりも細い極細の針で皮膚組織に微細な穴をあけ、肌の再生能力を向上させ、毛穴の開きやニキビ跡の改善を促す治療法です。過剰な炎症を抑えて皮脂の分泌を改善する効果もあるためニキビの予防にもなります。肌のハリや弾力を取り戻したい、毛穴の開きを目立たなくさせたい、小じわを改善させたい、浅いニキビ跡の治療をしたい、という方におすすめしたい治療です。
ただ、クレーター状のニキビ跡や肌の萎縮を伴うタイプのニキビ跡には効果が期待しにくい治療です。また、現在炎症が強いニキビがある場合は悪化させる可能性があるのでおすすめしません。

◆注意事項
施術後2.3日赤みが残ることがあります。メイクは次の日から可能です。
一時的に肌のごわつきを感じることがあります。

●マッサージピール [適用:シワ]
マッサージピールは高濃度トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素(H2O2)、さらには美白作用のあるコウジ酸が配合されている「PRX-T33」という薬剤を使用して、肌を優しくマッサージしながらピーリングを行う施術です。通常のピーリングとは異なり、表皮の角質にはほとんど作用することなく、肌の奥深くに浸透してコラーゲンの生成をサポートし、肌全体をふっくらハリのある肌に導くため小ジワやたるみが目立たなくなることが期待できます。くすみや乾燥など年齢肌が気になる方で、痛みを伴わずダウンタイムの短い施術を希望される方におすすめです。ダウンタイムが短いので、レーザーに抵抗がある方にもおすすめの施術です。2週おきに5回で1クールです。
マッサージピールの効果を高めるために、ご自宅でも専用のクリームを使用していただきます。

◆注意事項
薬剤塗布時にピリピリ感じる程度の痛みがある場合があります。
日焼けをされている方は治療を受ける事はできません。
稀に肌が赤くなる、皮剥け、などの症状が生じる場合があります。

●ケミカルピーリング [適用:肌質 ニキビ]
皮膚の表面にある表皮という部分は常に細胞分裂を繰り返しており、健常な20歳くらいの年齢ではほぼ28日間で生きた細胞としての働きを終えます。その後しばらく角質層にとどまり、徐々に垢としてはがれていきます。これを皮膚のターンオーバーと言います。加齢や不適切なスキンケアを続けることによってターンオーバーが遅くなると、水分保持力が低下して乾燥したり、くすみの原因になったりします。
ケミカルピーリングは皮膚にグリコール酸などの弱酸を塗布することで、肌表面に蓄積した古い角質や毛穴にたまった皮脂を取り除き、ターンオーバーを促す手技です。肌質が改善し、ニキビができにくくなる効果も期待できます。
ご希望の方には、エレクトロポレーションといって、電気の力によってビタミンCやトラネキサム酸を皮内へ導入する手技を併用することもできます。

◆注意事項
薬剤塗布時にピリピリ感じる程度の痛みがある場合があります。
日焼けをされている方は治療を受ける事はできません。

●腋臭症RF機器 [適用:腋臭症]
マイクロニードルRF(高周波)という新しい技術を応用した、ワキガ(腋臭症)を軽減させる機器です。
36本の細い針が付いたスタンプ型の機器の針先から出る高周波の熱エネルギーが、臭いの元である汗腺(アポクリン汗腺)を熱凝固させ破壊することでその働きを抑え、臭いを減少させるものです。皮膚の表面から熱を加えるのではなく、皮下に針を入れて皮下の深部へ直接熱を加えるのでやけどのリスクが少なく、高いエネルギーを出すことができます。切除手術のように直視下で行うものではないため、汗腺を100%破壊することは期待できませんが、一度熱凝固した汗腺は元の状態に戻ることがないため、汗腺の働きが減少した分、においが減ることを期待できます。手術と異なり、施術後の日常生活に支障が及ばず、傷跡が残りにくいです。また、陰部や乳輪周囲の部位へも施術が可能です。
臭いは術後2週間程で少なくなり、施術前の2-3割程度にすることができます。
施術部には痂疲が生じ、色素沈着しますが、時間経過とともに軽快します。時間を空けて再度施術するとさらに臭いを減らすことができます。
未成年の方に行う場合には、施術後も成長に伴いアポクリン汗腺が増えて臭いが増してくることがあります。その場合は再度施術を受けることができます。

◆注意事項
治療によって臭いは相当減少しますが、アポクリン汗腺を100%処理することはむずかしいため、完全になくなるわけではありません。
臭いがほとんど感じられない状態になったとしても御本人やご家族が過剰に気にしていることがあります。その場合は追加治療を希望されてもおすすめしない場合があります。
翌日からシャワー浴は可能ですが、3日程度は施術部位を強くこすらないようにしてください。
翌日から軽い運動は可能ですが、激しい運動は2~3日控えてください。
術後、施術部の皮膚全体が一時的に固くなったり、突っ張りや痛みがでたりすることがあります。これらは時間と共に回復します。
術後、施術部には、赤み、痂疲、色素沈着などが生じます。針の刺入部がうっすらと痕になることがありますが、半年ほどで目立たなくなります。

手術

●二重を作る手術 [適用:目元]
当院の二重形成手術には「極小切開埋没法」「切開法」の2種類があります。
<極小切開埋没法>
上まぶたの皮膚を片側数か所1-2mm切って細い糸で眼輪筋に折れ癖を作ることで、目を開けた時に二重のライン生じるようにする手術です。
メリットとしては
・ダウンタイム(術後腫れる時間)が短い
・手術の跡が目立ちにくい
・手術時間が短い
・術後早期であれば糸を抜いて元のまぶたの形に戻すことができる
デメリットとしては
・元に戻ってしまうことがある(当院では半年で5%以下)
・まぶたの皮膚、脂肪が厚い場合や、眼瞼下垂が生じている場合には適さない

<切開法>
瞼を切開して二重のラインを作る手術です。
メリットとしては
・深くくっきりとした二重を作ることができる
・ぱっちり、幅広など、希望のデザインに近づけやすい
・切開時に脂肪を取り除くことができ、腫れぼったさの解消ができる
・上まぶたの皮膚に余剰がある場合には、皮膚を切除することができる
・二重が元に戻りにくい
デメリットとしては
・ダウンタイムが長め(2カ月くらいしても少し腫れが残っていて、二重が広めに見えることが多い)
・元のまぶたの形に戻すことはできない

外来診察時に希望を伺い、まぶたの状態を観察し、おおよその仕上がりを予想して、どのような手術が適しているか判断します。どちらの治療でも、二重の幅や目頭の形など、手術では完全にコントロールできない部分もあります。
また、眼瞼下垂症による形態の変化を生じている場合は、二重を作成する手術が適応にならないこともあります。

◆注意事項
どちらの治療においても、多少なりとも腫れが生じます。感染や皮下出血斑が生じることがあります。
アイメイク、コンタクトレンズは1週間程度しないようにしてください。
術後3カ月程度はまぶたをこすると糸で作った『折れ癖』が消失しやすいのでご注意ください。

●クマ(目の下のふくらみ)を目立たなくさせる手術 [適用:シワ 目元]
クマの原因の一つが、目の下が膨らんで影ができることです。
眼球は眼窩脂肪に包まれるように保護されています。眼窩脂肪は眼窩隔膜や眼輪筋、皮膚によって前に出てこないように抑えられているのですが、加齢によって、皮膚と眼輪筋が弛むと眼窩脂肪が突出するようになり、目の下が膨らんでクマとして認識されます。
手術には2種類あります。
皮膚・眼輪筋の弛みが少ない場合は結膜側(まぶたの裏)から突出している眼窩脂肪を切り取ります。腫れが引くまで1週間程度です。
皮膚・眼輪筋の弛みが多い場合は、下まぶたを切開して眼窩脂肪を突出しにくいように均すとともに、余剰な皮膚を切除して眼輪筋を縫い縮めることで、弛みの治療も行います。腫れや皮下出血が引くまでは2-3週間程度です。

◆注意事項
皮膚を切除した場合、創部の赤み、硬さ、感覚の異常などは半年から1年ほど残ります。細かい傷跡やわずかなしびれなどの症状は残ることがあります。
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