医療安全管理室

医療安全に関するメッセージ

 伊那中央病院では、医療安全管理の基本理念を「患者の立場に立ち、患者が安心して医療を受けられる環境を整える」ことと定め、医療の質向上と医療安全文化の醸成を目指しています。

 病院の中で行われる注射、検査、手術などの診療行為の多くは、身体にとって負担となります。通常、その負担よりも診療行為による治療効果等の「利益」の方が大きいため、診療行為が行われます。しかし、医療とは本質的に不確実なものであり、「過失」などがなくても重大な合併症や偶発症が起こります。加齢に伴う、またはひそかに進行していた病気が診療行為の前後、途中に発症する可能性もあり、その場合は、もちろん治療に最善を尽くしますが、稀には死に至るような重篤な事態もあります。重要な合併症で予測できるものについては充分に説明いたしますが、極めて稀な合併症や予測のつかない場合もあり、全ての可能性を説明することはできません。

 このような医療の不確実性は、医療の進歩により低減されていますが、人間の生命の複雑性、個人の多様性に由来し、現在でも無くすることはできません。今後皆様には、診療行為を行うにあたり、同意書などを求めることがあると思います。その場合には、こうした不確実性が医療には存在することをご承知頂いた上で同意書に署名して下さい。疑問があるときには、納得できるまで質問して下さい。納得できない場合には、無理に結論を出さずに、他の医師の意見(セカンド・オピニオン)をお聞きになるようお勧めします。他の医師の意見を求めることで不利な扱いを受けることはありません。また、このような合併症や偶発症の治療に関しての診療費も保険診療で対応いたします。

 何かお困りのことが生じましたら『患者支援センター』に遠慮なくご相談下さい。今後とも皆様とともに協働し質の高い医療を実践していく所存です。ご協力の程よろしくお願い申し上げます。


2022.4 院長 本郷一博

医療安全管理の基本理念

医療安全管理の基本理念を「患者の立場に立ち、患者が安心して医療を受けられる環境を整える」ことと定め、医療の質向上と医療安全文化の醸成を目指しています。

医療安全管理指針

伊那中央病院 医療安全管理室は基本理念に基づき以下のように医療安全管理指針を定めております。

伊那中央病院医療安全管理指針(PDF:268KB)

基本方針と概要

医療安全管理室は、「医療安全風土の確立のために、組織横断的に院内の安全管理を担う」ことを使命として2006年6月に設置され、医療安全管理部門と感染管理部門を担当しています。
専従の医療安全管理者(看護師)と感染管理認定看護師が活動しています。

主な活動内容

(1)インシデント ・アクシデント事例の収集、分析、改善策について

電子媒体でのレポート報告システムにて、迅速な事例の収集と分析を行っています。
報告されたレポートは、毎週リスクマネジャー部会で要因・対策などを検討し、毎月、医療事故防止対策委員会で協議しています。起こったエラーを分析し、安全管理システムの不備や環境等に着目し、その根本原因を追究して改善に努めています。
各部署では、リスクマネジャーにより事例の共有を図り、医療安全管理室からは、随時オレンジレターを発行し、院内・院外でのインシデント・アクシデント情報を周知徹底することで医療安全への意識を高め、組織横断的に医療安全の取り組みを行っています。

(2)医療事故発生時の対応について

患者の治療に誠心誠意努め、ご家族の申し出についても誠実に対応させていただきます。事故当事者・スタッフにも、身体的・精神的支援を行っています。

(3)講演会・研修会について

毎年、医療安全と感染に関する講演会及び研修会を全職員対象に行い、近隣の医療従事者も参加しています。また、部署別の研修も企画運営しています。

(4)感染防止活動について

ICT・看護部感染対策委員会と院内ラウンドを行い、リスク事例の把握、評価、周知、指導を行い、院内全ての医療従事者、及び患者、ご家族を医療関連感染から守るため、実践的な感染防止活動を行い、医療の質の向上に貢献します。

(5)相談窓口を開設しています

外来診療や、入院中のできごと、診療に対する不安、不信、不満に感じていることなど、直接お話をお伺いしています。
相談に関する窓口はこちら
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