診療放射線科

診療放射線科のご案内

 診療放射線科はX線検査やCT検査・MRI検査等により、医師が患者さんの診察に必要な体内情報を画像として提供する画像診断部門と、外部から放射線を照射し患者さんの病気の治療をおこなう放射線治療部門で構成されています。
 診療放射線技師が最適で迅速な診療画像情報の提供をおこなうとともに、安全で精度の高い放射線照射をおこなう」という診療放射線科の基本方針のもと、医師・看護師・事務の方々と協力して業務にあたっています。
 診療放射線科では、救命救急センター、脳卒中センター、地域がん診療連携拠点病院などの病院機能を十分に発揮できるよう、適正な放射線装置の稼働に努めています。当院は外部放射線治療装置を有するとともに、診断部門では、CT装置に320列高性能CT、MRI装置に3T(テスラ)高磁場MRI、RI装置にPET-CTをラインアップに加えて質の高い画像提供をおこなっています。血管撮影においては心臓用と頭部・腹部用の2台体制としており救急患者への迅速な対応を可能としています。また、CT・MRI・RI・超音波の各検査においては地域医療連携室を通して地域の医療機関からの検査依頼に対応しており、医療連携に協力しています。

一般撮影装置


第1撮影室

第2撮影室

 X線撮影装置は全部で3部屋あります。
X線を身体にあて透過した放射線の量の違い(吸収差)を、利用しX線写真を作ります。
検査部位により異なりますが、おおよそ5~10分で終了します。

乳房撮影装置

 乳房専用のX線装置は乳房を圧迫しながら撮影し、早期乳がんの発見のためには現在必要不可欠な検査となっています。
 2018年3月には最新装置を導入し、トモシンセシス(3次元撮影後術)やバイオプシー検査(細胞・組織診断)が可能となり、今まで以上に精度の高い検査ができます。
 伊那中央病院は日本乳がん検診精度管理中央機構によるマンモグラフィ検診施設画像認定を取得して、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師3名を含む6名の女性技師が撮影を担当しています。

 

  

移動型撮影装置


 日立製 移動型撮影装置
移動式X線撮影装置です。身体状態が悪い等、離床できない患者さんの撮影の時この装置で病室にて撮影をすることができます。





X線TV装置

 
 
 
 
東芝製 X線TV装置    

 
 Cアーム搭載で多方向からの観察を可能に、また17インチ角の平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)を組合せることで大視野を確保し、多くの検査で重要とされる透視画像の視認性を向上させ、「多方向・大視野・高画質」を実現したデジタルX線システムが稼働しました。撮影像に迫る透視画像、ワイドな診断視野、低線量撮影を実現。透視検査、整形領域など幅広いニーズに応えることが可能となりました。

CT装置


東芝製 CT装置 320列
キヤノン製 CT装置

 当院では320列の検出器を備えるX線CT装置を導入し、1回転(160㎜幅)の最大速度が0.275秒に高速化したことにより、心拍数75bpmまでの心臓の拍動スキャンに対応できるようになり、心臓CT検査の適応範囲が拡大しました。そして、動きの抑制が困難な小児や救急検査においても撮影精度の向上が図られ、高度な3D画像の作成も可能になりました。
 また、高速撮影が可能になったことで線量の低減が実現することに加え、この装置には被ばく線量を低減しながら画質を保つ新しい画像再構成技術が搭載されているため、さらに放射線被ばくの低減が可能となりました。


 

MRI装置


シーメンス社製 MRI装置 1.5T

フィリップス社製 MRI装置 3.0T

 MRIとはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略称で、非常に強い磁石と電波を利用して、体中のあらゆる方向の画像が得られ、全身の様々な部位・疾患に対して必要な情報を提供し、いろいろな病気の早期発見、診断に有効な検査となり、現在当院では2台のMRI装置が設置され、日常診療や救急診療に活躍しています。またMRI装置は放射線を使わないため、被ばくの心配がありません。

 

血管撮影装置


東芝製 血管撮影装置

フィリップス社製 血管撮影装置

 近年血管撮影装置が担う役割は診断からインターベンション(血管内治療)領域へと進化してきています、従って三次救急指定病院である当院はこの規模の病院としては珍しく2台の血管造影装置を有し、心筋梗塞、脳動脈瘤破裂、外傷性腹腔内出血など緊急血管内治療(手術)が必要な患者が重複したとしても対応できます。

 

放射線治療装置(リニアック)


バリアン社製 放射線治療装置
 放射線治療とは、放射線をがんに照射し、がん細胞が増えるのを防ぐ治療で、身体の外観や機能を損なわず治療をすることが可能です。当院でもCT画像を利用し、3次元治療計画を行うことにより精度の高い治療を行っています。

※放射線治療装置をLinear accelerator(日本語で直線加速器)といい「Lin」ear 「ac」celeratorの両者の頭をとって「Linac」と略し、リニアックまたはライナックと呼んでいます。

 2018年3月に稼動した新リニアックは、高精度の放射線治療に特化したシステムで、県内では始めての導入となります。本装置では通常の放射線治療の正確性が増すだけではなく、これまで当院では行えなかった高精度技術による放射線治療の施行が可能になりました。

 

超音波診断装置


 
 体表面から超音波をあて体内の情報を画像にする方法です。苦痛や害がないため小さな子供さんや妊婦さんでも検査可能とし、どこででもリアルタイムに観察できる有用な検査です。






骨密度測定装置


ホロジック社製 骨密度測定装置
 2本の異なるX線により骨の密度を測定し、骨粗しょう症や骨折のリスクを判定するのに役立ちます。主に腰椎と股関節を検査します。








結石破砕装置(ESWL)

 強い衝撃波を使い、腎臓や尿管にある結石を破砕します。




 

 

核医学検査装置(SPECT-CT)

 核医学検査は、ガンマ線という放射線を放出する放射性同位元素を含んでいる薬を注射などによって体の中に入れ、臓器や病変部に取り込まれた薬から放出される微量のガンマ線を体外のカメラで撮り、体の内部の病気を調べるのが特徴です。  
    GE社製 SPECT-CT装置
 検査の種類により使用する薬剤は変わりますが、大半の検査薬に用いられる放射性同位元素は寿命(半減期)が短く微量な上、体外へ排泄されるので安心して検査をお受けください。  
     
 2017年11月より北棟で最新装置による検査を開始し、従来のRI(機能画像)に加え、CT(形態画像)を同時に撮影することにより診断能が向上しました。  

核医学検査装置(PET-CT)

 PET-CT装置が2017年11月当院に北棟RI施設へ新規導入されました。
   
 PET検査は放射能を含む薬剤を投与し、放出されるガンマ線をとらえて画像を得ます。
 当院に導入された装置の特徴として装置の感度が高いことが挙げられ、 これにより比較的短時間(標準で約15分)で撮影を終了することができます。
 また、同時に撮影するCTは最新の技術により従来の半分以下の被ばく線量に抑えることができます。
 
  GE社製 PET-CT装置
 検査は全部で約3時間ほどかかりますが、そのうちの大半はなるべく動かないように待機していただきます。長い待機時間を快適に過ごしていただけるよう待機室は個室となっており、部屋内には加湿空気清浄機、リクライニングチェアをご用意しております。  
    待機室
 PET検査薬に用いられる放射性薬剤は寿命(半減期)が短く、時間とともに体外へ排泄されるので安心して検査をお受けください。  
PET-CT検査への患者紹介について
(医療機関向け)
      問診室      薬剤自動投与装置

PET検査をお受けになる方へ

○PET-CT検査とは


 PETとはpositron emission tomography (陽電子放出断層撮影) の略です。従来のPET検査にCTを組み合わせたものがPET-CT検査です。
 利点としまして、CTなどの画像検査では、通常、頭部、胸部、腹部等部位を絞り検査を行いますが、PET検査ではほぼ全身を一度に調べることが可能です。さらに形態画像であるCTと組み合わせることでより診断能が向上します。

・当院で行われるPET検査は、大半がブドウ糖代謝を反映する18F-FDGという放射性薬剤を用いた、
 FDG-PET検査です。
・入室から退室まで約3時間かかります。そのうち撮影時間は15分ほどです。
・追加で撮影を行う場合もありますが、退室までの間で行いますのでお時間の延長はありません。

○FDG-PET検査をお受けになる方へ


・FDG-PET検査はブドウ糖の代謝を反映しますので、検査の前に糖分を摂取すると目的の場所にうまく薬剤がいきわたらず、診断の妨げになる場合があります。
最低でも検査4時間前から絶食をお願いいたします。
・水分は水、緑茶は飲んでいただいて結構ですが、糖分の入っているもの、また、入っているか不明なものは飲まないようにしてください。
・糖尿病がある方は担当医にご相談ください。
・FDGは動いた後の筋肉に集まりやすい性質があります。激しい運動は前日から避けてください。
 安静にしていただくことで、薬が目的の部位に多く集まりますのでより正確な診断が可能となります。

 検査手順及び注意事項の詳細はこちら(PDF)をご覧ください。
                                             
 PET-CT検査への患者紹介について(民間病院等→伊那中央病院への患者紹介)
 PET-CT検診のご案内(健診センター)
(PET-CT検診は平成30年5月から受付を開始しました。)
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