がんゲノム医療について

がんゲノム医療とは

 がん治療では、手術による切除、抗がん剤の投与、放射線療法が行われてきましたが、現在は免疫療法を加えて4本柱となり、さらに、がんゲノム医療が導入され、今後、この分野は飛躍的に進歩する可能性があります。がんゲノム医療とは、患者さん一人一人のがんの個性を遺伝子レベルで明らかにし、より適した薬剤、もしくは開発中の薬剤に関する臨床試験により治療成績の向上を目指す医療です。
 当院は2020年よりがんゲノム医療連携病院に指定されました。このことにより、がんゲノム医療拠点病院である信州大学医学部付属病院で行われるゲノム医療エキスパートパネル会議に参加することでがん遺伝子パネル検査が実施可能となりました。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス

がん遺伝子パネル検査とは

 がん遺伝子パネル検査は、がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知るための検査です。がんの特徴が分かれば、一人ひとりに適した治療法を探すことができます。患者さんのがん組織や血液を使って、がん細胞の数十から数百の遺伝子を一度に調べ、その中で起きている遺伝子の変化を確認します。検査結果は「エキスパートパネル」と呼ばれる専門家の集まりで検討し、担当医はエキスパートパネルで話し合われた結果を参考にして、治療法を患者さんに提案します。

がん遺伝子パネル検査の対象となる方

 保険診療では以下の3点を満たしている必要があります。
・血液のがん以外の方 ・がんに対する標準治療がない、もしくは標準治療が終了(終了が見込まれる場合も含む)した方 ・がん遺伝子パネル検査の結果を説明する時点(検査を出して6〜8週間後)で全身状態や臓器機能が薬物療法もしくは臨床試験の適応となる可能性が高いと主治医が判断した方

費用について

 がん遺伝子パネル検査は保険診療で行われます
・検査提出時:440,000円(3割負担の場合132,000円)
・結果説明時:120,000円(3割負担の場合36,000円)
が必要になります。
※高額療養費制度により、自己負担額が変わることがあります。

ご留意いただきたいこと

 検査申し込みから結果説明まで、おおよそ6週間~8週間かかります。保険適応で行われるがん遺伝子パネル検査はがんの組織検体が必要です。血液を用いる場合もあります。
 検査を受けても治療選択に有用な情報が得られない可能性があります。また遺伝子変異が判明しても実際に治療に結びつくのは10%程度と報告されています。治療のため遠方の医療機関への通院が必要になることがあります。
 検査により現在診断・治療しているがんとは無関係な、もしくは関係のある生まれつき持ったがんになりやすい体質(遺伝性腫瘍)が判明することがあります。ご本人だけでなくご家族などにも関連することになりますので、検査を希望される方は、ご本人ならびにご家族の来院が必要です。

がん遺伝子パネル検査の相談について

 患者さんからの直接の予約は受け付けておりません。
 ご希望の方は、現在治療を受けている医療機関の担当医師にご相談ください。
 がん遺伝子パネル検査の流れなどについてお知りになりたい方は、当院の「がん相談支援センター」(TEL 0265-96-0562)までご連絡ください。

がんゲノム医療外来の申し込みについて(医療関係者向け)

 がんゲノム医療外来では、患者さんが、がん遺伝子パネル検査を受けるかどうかを決めるためのお手伝いから、がん遺伝子パネル検査やその結果による治療の選択肢などについて説明を行います。
 当院の「地域医療連携室」(TEL0265-78-8623)にご連絡をお願いします。
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